ホテルマンのシエスタより
ホテルとはこんな風になっています |
ホテルの目的は多種多様のサービスを提供する事にあります。 また、同時に諸施設を維持管理しなければいけません。その為には各機能を整理、統合し組織を形成する必要があります。 ホテルの主な機能は、宿泊部門、飲食部門、マーケティング部門、管理部門に分けられますが、大型ホテルになれば、これらの機能がさらに有効に働くよう機能がより細分化されています。 そしてこれらを維持するには従業員のチームワークとコミュニケーションが重要になってきます。 それには、各部門ごとに責任と役割を明示するマニュアルを作成し、それを実施することによりホテルの経営機能が最大に発揮されます。 次に、どのようなマニュアルが必要か・・・記してみました。 |
ホテルの組織の一例
上記のような組織を作った場合に最低限必要なマニュアル | |
『宿泊部門』 |
●リザべーションマニュアル ●フロントレセプションマニュアル ●フロントキャッシャーマニュアル ●フロントサービスマニュアル ●客室清掃マニュアル ●客室修理補修マニュアル ●防災・防犯マニュアル |
『料飲部門』 |
●メーンダイニングサービスマニュアル ●コーヒーショップサービスマニュアル ●ティーラウンジサービスマニュアル ●ソムリエサービスマニュアル ●中国料理レストランサービスマニュアル ●日本料理レストランサービスマニュアル ●メーンバー・宴会バーサービスマニュアル ●婚礼・宴会サービスマニュアル ●婚礼・宴会予約課マニュアル ●料飲管理マニュアル ●宴会営業マニュアル |
『マーケッティング部門』 |
●計数管理マニュアル ●営業企画マニュアル ●宣伝マニュアル ●販売戦術マニュアル ●事務処理マニュアル |
『経営管理部門』 |
●人事マニュアル ●労務管理マニュアル ●財務/会計管理マニュアル ●営業管理マニュアル ●仕入管理マニュアル ●施設管理マニュアル ●テナント管理マニュアル |
【注意】 マニュアルの重要な点は、マニュアルの内容次第でそのホテルのレベルが決定してしまうという事です。 マニュアルはその職場に合ったものを作り、必要に応じて変更する事が大切です。 そして、作り直す時大事な事は、以前のものよりバージョンアップした内容にしなくてはなりません。 また、出来たマニュアルは必ず守らせるという事が大事です。マニュアルは基本レベルのワークです。 それをベースにスタッフは自己啓発し各自スキルアップしなければなりません。 |
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サービスについて | |
【これからのサービス】 商業販売の基本サービスは、日本も昔からありますが、本格的な西洋スタイルのサービスは、戦後アメリカからホテルを経由して始まったと思います。 しかし、それは、一部の人たちが利用する事に止まりました。 アメリカはあらゆる業種のマニュアルが発達しています。これは、アメリカは色々な国、宗教、教育、人種が入り交じっており、それを統一して同じ行動をさせるにはマニュアルが非可決だったのです。 アメリカのマニュアルの基本は減点法。完璧からミスを減点していきます。(日本はどちらかと言えば加点法) そして、戦後数十年を経過して、一般大衆向けにファミリーレストランと一緒に飲食サービスのマニュアルが入ってきたのです。 ”おいしく・安く・笑顔で・クイックサービス”。米国人のファミレス経営者は、本国でなかなか出来ないマニュアル通りのサービスが日本で簡単に出来た事に驚いたそうです。 日本人は勤勉で素直な性格がマッチしたのでしょう。 しかし、その後、ファミレスのサービスにも変化がおきました。同じ言葉、同じしぐさにお客様もスタッフもあきがきてしまったのです。 あるレベルのサービスを受けていると、それがスタンダードとなって、それ以上のサービスを求めるようになります。 ◆それではこれから求められるサービスとは何か。 キーワードは・・・ ”感動を与えるサービス” です。 お客様はどうしてもらった時感動するか? あなたはどうしてもらった時感動したか・・・が答えです。 ※感動したことがないサービスマンは人に感動も与えることも出来ません。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【棲み分け】 ヨーロッパと日本のサービスに対しての違いは、利用する人たちの考え方にあります。 良い料理、良いサービスを受けるには、高い代償を支払わなければいけない。 安い所はそれなりのサービスと割り切っている。 棲み分けが出来ているのです。 日本では、高級レストランでも安いレストランでも同じレベルのサービスを求めます。 あまりお金に余裕がない人でも高級バッグのヴィトンを求めます。 まだ棲み分けが出来ていないのです。 パリでは、グッチやシャネル、サンローラン、ヴィトン等を持っている人は、大きな家に住み、高級車を持っている。ステータスなのです。 あまり余裕のない人はべつにほしいとも思わないし、羨ましいとも思わないそうです。 したがって、日本のサービスは今、進む方向を模索している状態にあると思われます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本来のサービスとは何か・・・・・? サービスとは、お客様が求めるものを提供する事が基本と思います。 最近、銀行や公共施設で妙にニコニコ顔の接客員を見ます。 もちろん無愛想は論外ですが、そんなにニコニコしなくても、お客が求めている事は、爽やかに、そつなく、テキパキと処理してくれる事がほんとうのサービスだと思います。 ・スチュワーデス(客室乗務員)さんは・・・優雅に、ステキなスマイルを。 ・公務員は・・・親切に、テキパキと。(スリッパは穿かない) ・お医者さんは・・・顔をPCに向いたまま話をしない。 ・看護婦(看護師)さんは・・・ほほえみをもって やさしく ・歯医者さんは・・・右手を挙げたら・・・ 「わかった」 とうなずく。 等々業種によって、サービスの仕方が違うのです。 ニコニコすればそれがサービス・・・ではないように思います。 ホテルのサービスについては、今話題の「ホテルリッツ」のサービスも一例として参考になると思います。 サービス全般については、また別の所で記する事にします。 |