ホテルマンのシエスタより

日本料理のセットと配膳の仕方

日本料理には、本膳料理、会席料理、茶懐石、寺院料理(精進料理、普茶料理)などがあります。
更にこれらの各料理には、銘々独特な献立、配膳、食べ方、順序などの作法があります。

ここでは、宴会に用いる、会席料理の説明をします。


会 席 料 理 


江戸時代半ばまで続いて来た本膳料理も次第に簡素化されてゆき、会席料理が生まれました。この会席料理はその後、明治、大正を経て今日まで正式饗宴の日本料理の型として伝えられてきました。この会席料理は、お通し、お吸い物、おさしみ、酢の物、口替わり(栗、ぎんなん、若鶏等)、焼き物、煮物、みそ汁等が供されます。
宴会の際、お膳に、料理、吸物等全部のせて出されることが多いのですが、温かい料理は熱いうちにそれぞれサービスしたいものです。


配膳の基本 日本料理のサービスのポイント
                 
1.お膳のセット 

      イ.お膳でサービスする場合で膳に木目がある時は必ず木目を横に
            して置く。
      ロ.お膳は必ずテーブルと平行に置く

      ハ.ご飯は左側、お吸い物は右側。

      ニ.お箸は袋を左側にして置く。

      ホ.お重(うな重・天丼等)を置く場合は、例外としてお吸い物は左
           に置く。
            尚、お膳を使用する場合はお重の向こう側に置きます。

      ヘ.天丼をサービスする場合は、海老の尾がお客様から見て右側
            になるようにして置きます。

      ト.お客様のテーブルでお茶をつぐ場合は、お盆の上にお茶碗を
            移して 注ぐ。 お盆のない場合は、テーブルの端にお茶碗を移し、
           アームタオルをお茶碗の手前に敷いてお茶を注ぐ。
            テーブルにお茶をこぼさないように気をつける事。前菜、吸い物を食
            べ 終わった ら器を下げます。そのあいた後に、汁物、ご飯、
            香の物を 置くようにします。

      ◎配膳では杯とグラスは原則左端です。しかし、戦後、西洋風に右に置くところもあります。

2.お運びの作法

      イ.お運びの盆は丸盆か長手盆を使う。

      ロ.お客様の処に進み盆を畳に置く。

      ハ.お下げする器を先に取って畳に置き、次に持っていった料理を
           膳に 置き、空 いた盆に下げた器をのせる。

       ニ.下げた器は重ねて下げない事。

3.出入りの作法

      イ.入室の際は必ず「おじゃまします」と声をかける。

      ロ.膝をついて左手を襖(障子)の手に、右手は少し下側の縁に添え
           てあける。

      ハ.敷居を踏まずに中に入り斜めに襖(障子)の方を向いて膝をつき、
            右手の引き手に左手を添える。

      ニ.お客様に正座をし、「いらっしゃいませ」と坐礼する。
       
      ホ.歩く際はすり足で。
注意)★お重・丼の場合のみ例外として、お吸い物は左側。ご飯の時は椀を持って食べるが、お重は置いたままで食べるので右側だとお椀とお重がクロスして食べにくい為逆になったようです。
    ★杯とグラスは左下へ配置する。(洋食は食べる側のフォークが左手なので右でグラスを持つ。 和食は箸を 右手に持つので杯は空いている左側へ置く。酒飲みの左党はここから・・・?