ホテルマンのシエスタより


最近、問題になっている サブプライムローン(SUBPRIME LOAN)
について なるべく解りやすく解説してみました。


アメリカで起きた出来事が世界中に影響を与える・・・これが現実です。

ローンとは?
まずローンというのはお金を貸し付けることです。
家を買うとき、すぐに全部は払えないから、銀行からお金を借りますね。あれがローンです。

プライムってどんな意味?

プライムというのは、「優良の」という意味です。サブは「それより下の」という意味。
つまり、サブプライムローンというのは、優良より下、つまり収入が少ない人向けの住宅ローンのことなのです。

サブプライムローンって日本でもやっているの?
あるのはアメリカだけです。日本にはありません。
このサブプライムローン、今、日本を含め、世界に影響的を与え、問題になっているのです。

どんな事がおこっているの?。
家を買いたいと思っていても、収入が低いと、ふつうはお金を貸してくれません。
そんな人が利用するのが、サブプライムローン。
住宅ローンの会社が、お金を貸します。収入の少ない人が、サブプライムローンを利用して家を買いました。

ローン会社は「もしかしたら返してくれないかもしれない」と考えます。
そこで、お金を貸したときに、お礼として受け取る利息を、普通のローンよりとても多くするのです。
この利息が多いのがサブプライムローンの特徴です。

収入の低い人が返せるの?

利息が多いと、お金を返すとき大変ですね。収入の低い人が、お金を返せるのでしょうか。
実は、アメリカでは景気がとても良くて、数年前から家を買う人がどんどん増えました。
買いたい人が多いので、住宅の値段が上がっていきます。
買ったときよりも、値段が高くなるのです。

低所得の人が何故借りる事ができたの?
ローン会社は、家のみを担保に、払えなくなったら家を売ってローンを返せばいいですよ。それでも儲かりますよ。と言って貸したのです。
借りる人は、自分の財産は守れ、ローンを返せなくなったとしても家だけ失うだけと思ってみんな喜んで借りたのです。
どのくらいの人達が借りたの?
サブプライムローンを利用した人は600万人を超え、金額は150兆円に上りました。
ローン会社は、どんどんもうかりました。

ローン会社の、返してもらえなくなった時の対策

しかし、貸した相手は収入の少ない人たちなので、返せない人が出ないか、やはり心配です。
そこでどうしたかというと・・・

貸したお金を返してもらえるという権利、貸したという証明書のようなもの、これを集めて売ることにしたのです。

だれに売ったの?
では誰が買うのかというと、世界の銀行や、ファンドと呼ばれる会社です。
ファンドというのは、いろんな人や会社から、お金を預かって株を買ったりして、代わりにもうけてあげるのが仕事。
こんなものを買って、もうかるのかなと思うかもしれませんが、利息がたくさんもらえるから魅力的。
それに、住宅の値段が上がれば心配はありませんね。
そこで世界中の銀行やファンドが、この権利をどんどん買っていったのです。

バブルで懲りていたはずの日本の銀行も買いました。その額1兆5千億円・・・

住宅の値段は?
しかし、住宅の値段がずっと上がり続ければみんなハッピーというところですが、そうはうまくいきません。
住宅の値段が上がりすぎて、買う人がいなくなりました。
その結果、おそれていたことが起きてしまいました。
住宅の値段が去年から急に下がりはじめたのです。

するとどうなるか?
サブプライムローンを利用した人たちは、家が高く売れないので借金が返せません。
ローンを利用する人も減って、ローン会社はもうからなくなります。
さらに、ファンドや銀行が持っている「お金を返してもらえる権利」も紙くず同然。
お金が入らなくなるから、次々と損をします。

他に連鎖は?
それだけではありません。
ファンドにお金を預けている人が、心配になって金を返してほしいといいます。そこで、ファンドは自分が持っている株を、世界中で売ってお金に代えようとします。株を売る人が急に増えました。
株は買いたいと思う人が増えれば値段が上がり、売りたい人が増えれば下がりますね。

世界中の株が下落
こうして、日本も含めて世界中の株の値段が、一斉に下がりました。
株を持っている人に、大きな損が出てしまったのです。

日本でサブプライムローンを借りている人はいないのに、日本でも、株の値段が下がったのはこういうわけなのです。

サブプライムローンの問題は終わったの?
その後、株の値段は持ち直しましたが、サブプライムローンの問題は続いています。
それにしても、借金が返せない人が増えたという遠いアメリカで起きた出来事が、世界中の株の値だんを下げる、という結果をもたらしました。
つまり世界は、国境を越えて、お金でつながっているということなのです。

日本国内だけ見ていては済まない時代になったのです。

ホテルマンのシエスタ
TOPページへ