ホテルマンのシエスタ
スマートフォンに「カバー」や「ケース」をつけては・・・ダメ!
2014.7.7 Web 記事より
命の危険も!? 「スマホにカバー」がNGな理由をメーカーに聞いた
スマホは便利だけど、電池の減りが早すぎるのがネックだとのの不満を持つ方が、全体の51%に上っています。
(全国の25~34歳のスマホユーザーの会社員・男女各100人(200人)にインターネットアンケート調査 R25調べ)
スマホが傷つかないようにカバーを掛けている?
スマホは画面が大きいだけでなく、背面も大きいため、万が一の落下や普段使用で傷が付かないように、画面以外の全体を覆うカバーやシステム手帳のようにブックタイプのカバーを付けている人も多いのではないでしょうか。
現に大手家電量販店でもカバー販売のコーナーが設けられているくらいです。
しかしこれが電池にとっては致命的な事態を招くことが多いのです。
カバーは普段取られることがない(もともと着脱するように設計されていない)ため、スマホに密着します。その結果、電池の大敵である熱の放熱障害となります。
そこで、カバーなしでも「ちょっと電池部分が熱いな」と感じる現代の高性能スマホにカバーをつけるといったいどうなるのでしょうか。
某一流電池メーカーに聞いてみました。
「正直カバーはおすすめしません。
特に長時間スマホを操作される場合は、カバーで放熱が阻害され、電池の安全温度を超えてしまう恐れがあります。
また充電時は長時間電池が高温域にあるため、カバーは取り外して充電してほしいのが本音です。」
このメーカーによればスマホに使われているリチウムイオン電池の許容温度は充電時で45℃、放電時(使用時)で60℃が安全温度ということでした。
「スマホによっても変わりますが、カバーをつけない状態(スマホの純正状態)で温かいと感じたとき、電池は50℃くらいになっていると思われます。
社外のカバー越しに温かいと感じるときは、おそらく安全温度をかなり超えていると思います。」
このとき、安全温度を超えた電池はどのようになっているかというと、リチウムイオン電池の特性上、熱暴走が始まり、電池が通常の数十倍の早さで劣化(最大容量低下)してしまうのです。
また熱暴走で済めばマシかもしれません。
経済産業省の調べによれば、電池の過熱の結果、発火・爆発などの事故も起こっているとのことです。
では放熱性の高い金属性カバーはどうなのでしょうか。
実はこれもNGです。放熱性という点では、熱伝導がゴム製・プラスチック製カバーより良い分、過熱まで至ることは少ないですが、肝心の電波送受信を阻害します。
この点をスマホメーカーに問い合わせてみました。
「スマートフォンのアンテナは機械全体がアンテナになるように設計されています。ここを金属カバーで覆ってしまうと、電波の強度は当然弱くなります。」
電波が弱くなった結果、エリア内なのに電波不安定や電波圏外になったりするため、電波を探そうとスマホの電波感度を上げる機能が自動的に作動し、よりよい電波を掴むサーチが行われます。
その結果、電池を消耗してしまうのです。俗に言う、「圏外だと電池の消耗が早い」のはそのためです。
それを金属製カバーは助長してしまうのです。
しかし、そうはいってもスマホのキャリアショップでもカバーは売られています。
その点を今度はキャリアに直接取材しました。
共通質問:カバーは電池の放熱を阻害すると、電池メーカーに聞いたのですが。
A社「確かにカバーは電池放熱の阻害要因になります」
――実際にAショップでは売っていますが
A社「・・・売っているのは、当社で試験した結果。合格した製品のみとなります」
――どのような試験を行っているのですか?
A社「それはお答えできません」
――利用者の安全に関わることを答えられないとはどうしてなのですか?
A社「テスト結果は安全ですのでご安心ください…」
この後、30分ほど問答しましたが、納得のいく回答は得られませんでした。
B社「カバーはつけていても問題ありませんが、社外のカバーについてはすべて調べていませんので、B社で認めた純正品をお使いください」
――純正品があるのですか?
B社「はい。Bショップに置かれているものは、カバーメーカーで発熱等を調べてから、当社ショップで販売しております」
――どんなテストを行っているものなのですか? (調べてと、折り返しになる)
B社「はい。電池の発熱が異常になっていないか調べています」
――カバーをつけているとやはり熱は多くなってしまうモノですか?
B社「そうですね。
やはり放熱という点では不利になりますから、傷を気にしないのであれば、つけないことをおすすめします」
C社「カバーをつける際は電源をお切りいただくようにお願いしております」
――それではスマホの意味が無いのでは
C社「…そうですが。使用する際に電源をいれていただければと思います。」
この後、これ以上の回答は出来ないと言われました。
ABC 3キャリアに問い合わせましたが、どうも完全に納得のいく回答は得られなかったので、スマホメーカーに再度問い合わせをしました。
――カバーをつけていると発熱の問題があるとキャリアは言うのですが、メーカーとしてはどのような見解ですか。
「それは問題視しています。現に事故も起こっておりますので、ある一定以上の厚みのあるカバーは付けられないように設計しています」
――具体的には?
「当社の製品は、クレードル(充電置き場)に刺して充電するのですが、そのクレードルの隙間の厚みを狭くして、カバーが薄くないと、刺さらない仕組みになっています。またカバーを付けての故障は保証対象外としています」
――なるほど。物理的にカバーが厚いと充電できなくしているわけですね。
このメーカーによれば、スマホをカバンの中にしまう場合も、カバンの構造によっては、夏は熱がこもるので、あまりよろしくないとのことでした。
またズボンのポケットに入れるのは、布くらいでは大丈夫でしょうとのことでした。
いかがでしたでしょうか。
電池の劣化が進みやすい、安全性が低くなると考えられるカバーの装着について、筆者は否定的に捉えましたが、傷を付けたくないという気持ちも十分わかります。
できれば厚みの少ない放熱しやすいカバーを求めるのも一つの手段でしょう。
電池を余計に消耗させてしまう“NGな使い方
最近、スマホの勢力がガラケーを凌駕しています。
しかしスマホ最大の問題が、電池の消耗が早いこと。スマホに頼りすぎて、電池がなくなり、行動不能に陥った経験のある方も多いのでは。
スマホを使う楽しさより、充電場所を探しているという、本末転倒な状態になっている方も。
そこで今回は節電の方法ではなく、よけいに電池を消耗させる使い方をご紹介します。
1. 節電アプリを使っている
「え? 節電アプリって電池を長持ちさせるものだよね」と思った方も多いでしょう。
しかし節電アプリもアプリはアプリ、常にスマホのメモリに常駐してしまうため、電池を早く消耗させてしまうのです。
よく見かけるのがスマホメーカーが標準機能として搭載している省電力(機種によっては節電)モードと節電アプリを同時に起動してしまうこと。
そして節電アプリの設定をきちんとせずに、放電アプリになってしまうことが多いこと。
通常の用途では、節電アプリをしっかり設定して、本体の省電力モードはOFFにするのが、正しい使い方です。また節電アプリは1種類に留めてインストールすること。
2種類以上いれてしまうと、節電アプリ同士で競合してしまい、十分な効果を得ることはできません。
2. 充電しながらスマホを使っている
ほとんどのスマホに使われているバッテリーはリチウムイオン電池です。
このリチウムイオン電池は、寿命が長い、エネルギー密度が高い(小型でも大容量)、継ぎ足し充電ができると良いことずくめですが、欠点は熱に弱く、電池自身が発熱すると、最大容量が減少し、寿命に影響を与えます。
よくモバイルバッテリーやACアダプターにつなぎながら、スマホを操作している人がいますが、キャリア3社に確認したところ、スマホの使用に充電元からの電気が使われる回路はなく、すべてリチウムイオンバッテリー充電に使用されているということでした。
ここで問題なのが、電池は放電と充電を同時に行うことが苦手なこと。充電しながら使用(放電)すると、スマホ本体が熱くなることに気づいた方もいらっしゃるでしょうが、これは電池が高熱になってしまっている状態で、電池の寿命が著しく短くなります。