ホテルマンのシエスタより



海洋研究開発機構(JAMSTEC)の有人潜水調査船
「 しんかい6500 」

  

   JAMSTEC横須賀本部に於いて
(2012年5月12日)


リンク :JAMSTEC 海洋研究開発機構  しんかい6500



独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の有人潜水調査船「しんかい6500」の見学会があったので行ってきました。

JAMSTEC横須賀本部の中にあったのは、「しんかい2000」と「しんかい6500」。
これが世界に誇る海底6500mまで潜れる有人深海調査船・・・日本のハイテク技術を駆使した姿にしばし見とれる。

施設の中に色々なブースがあり、それぞれに専門の係員がおり、説明してくれました。

今回特に驚いたのは、実際、深海でグニャと潰れた分厚い鉄の球。
なんと深さ4,000m(1cm²に400kgの重さがかかる)での水圧のすごさを実感しました。

あと、とても感心があったのは「熱塩循環」について。
専門家が水槽を使って実験してくれました。
説明もわかりやすく感心する。

熱塩循環とは、表層海流が、赤道大西洋から極域に向かうにつれて冷却し、ついには高緯度で沈み込み、
海底を流れる 深層海流 となって千五百年~二千年かけて地球を循環すること。
その様子を見ると地球は生きているというのを実感します。

今、注目されているのは、地球温暖化によって、この深層海流が止まってしまうこと。
そしたら、地球には生命が住めなくなってしまいます。
一度止まったら元に戻るには、また数千年を要するという。
全世界の科学者が注目しているテーマです。

そう言えば、このことをテーマにした、映画、「デイ・アフター・トゥモロー」を思い出しました。

ともかく、未知の世界というと、宇宙と深海。
今回は、その深海。驚きの1日でした。


参考リンク:有人潜水調査船_しんかいの系譜

参考リンク: 深層海洋大循環  

参考リンク: 深層海流(NHK動画)

参考リンク: 映画、The Day After Tomorrow


※2006年リメイクされた映画「日本沈没」で活躍した、有人潜水艇「わだつみ2000」と「わだつみ6500」は、
「しんかい2000と6500」が撮影用に名前を変えてそのまま使われました。
 映画 日本沈没 (動画)


 ところで、世界で一番深い海に潜った有人潜水艇は?

それはトリエステ号。
フランスのトリエステ号 (Trieste) はスイスで設計された2人乗りのバチスカーフです。
1961年1月、世界で一番深い海、マリアナ海溝における深度約10,900 メートルの記録を持ち、
その後2012年に映画監督のジェームズ・キャメロンが搭乗した「ディープシーチャレンジャー」がほぼ同じ深度に到達するまで、
有人でこの深度に達する探査艇はなかった。
※ジェームズ・キャメロン、1人乗り潜水艇で世界最深部単独潜航(動画) → 
クリック

◎世界一深い海はマリアナ海溝。現在、最深部は10,911mといわれている。
そのマリアナ海溝の最深部分における水圧は実に10.91MPa(1cm²に1,091kgの重さがかかる)にのぼる。




追記:

NEWS=”しんかい12000” 建造決定  (2013.12.30 発)

Shinkai 12000

地球で最も深い海底まで潜れる次世代有人潜水船として、海洋開発機構などが2023年ごろ就航を目指す「しんかい12000」が明らかになった。
世界最高の潜水調査能力に加え、深海底に数日滞在できる居住性が特徴だ。
しんかい12000は、文部科学省が今年5月、開発の優先度が高い国家基幹技術に位置づけた。
現行の有人潜水船しんかい6500はの2倍近い深さ12000m(1cm²に1,200kgの重さがかかる)までの水圧に耐える構造を持ち、マリワナ海溝にある10911mまでの世界最深部まで余裕を持って調査できる。
基本デザインは、全長12~15m。2本の腕や高精度カメラを船外に持ち、球形の耐圧カプセルを複数つないだ広い船内を観測用と、食事や就寝の居住用に使い分ける。
操縦士2人と研究者2人が搭乗、深海に2~3日滞在できる。