ホテルマンのシエスタより



ペットボトル症候群

 
数年前から若者の間で糖尿病が増えている

暑い季節喉の渇きをいやすために、ジュースや清涼飲料水をペットボトルで飲んでいませんか?
最近自動販売機があちこちにありペットボトルを持ち歩き、水代わりにたくさん飲む若者が増えています。

10代〜30代の世代にペットボトル症候群という現代病が増えていると報じられている。 
清涼飲料水や缶コーヒーなど、砂糖がたくさん入った飲み物を大量に継続的に飲んでいると、太りやすくなったり血糖値が高くなったりして急性の糖尿病になる恐れがあるという。
昏睡状態に陥ってしまうこともある。
体がダルい、喉が渇く、トイレに行く回数が増える、などの症状があればペットボトル症候群であるかもしれない。

計1253人のデータを集計した結果、糖を含む清涼飲料水を飲む量は学年が上がるほど増え、特に男子がよく飲んでいた。
男子中学生では1週間当たり約1リットル、中には5リットル以上飲んでいる学生もいた。
朝食を食べない生徒や、夕食時間が遅い生徒によく飲む傾向がみられた。

ペットボトル症候群という名称は、容器そのものではなく、ペットボトルの中身であるブドウ糖を中心とした糖分の取りすぎにより起こることからつけられた。
糖分を多く含むジュース、スポーツドリンク、コーヒー等の飲料水を継続して摂取することで高血糖に陥り、ひどくなると突然昏睡状態になることもある。

ペットボトル症候群は、本人が無自覚のまま悪化しているケースが多い。
 


< ペットボトル症候群スパイラル > に陥る

血糖値が高くなるとノドが渇く
     ↓
その渇きをうるおすために清涼飲料水を飲む
     ↓
するとさらに血糖値が高くなり、またノドが渇いて清涼飲料水を飲む
     ↓
そして、さらに血糖値が上がる
           ↓
血糖値が高くなるとノドが渇く

<以上のことを繰り返す>


ちなみに、ペットボトル症候群は肥満の方に多いですが、高血糖の状態がさらに進んでいくと、体はどんどん痩せていきます


< 血糖値が高くなっているのに痩せる > ・・・ どうして?

体の中に入った糖は、膵臓(すいぞう)からつくられる『インスリン』というホルモンによって、エネルギーとして利用される 
     ↓
高血糖の人はインスリンの分泌能力が少ない場合が多く、血液中にはたくさん糖があるのに、エネルギーとして利用されない状態になる
     ↓
体は糖が足りない(利用されていない)ことを察知して、脂肪を分解して糖をつくり始める
     ↓
当然、血糖値は高くなるが、インスリンが不足しているので、エネルギーとして利用されない
     ↓
血糖値だけが上がり、痩せていく


どうしてそんなに飲むの?

小学生でも毎日持ち歩いている子供もいます。
このペットボトルの中身がスポーツ飲料や清涼飲料水の人も多いでしょう。
甘すぎず、喉の渇きを感じたら手軽に喉を潤すことができますから。
炭酸飲料と違ってガブガブ飲むこともできますし。
これを毎日繰り返しているうちに急性糖尿病になってしまうのです。

重度の糖尿病で、昏睡状態に陥ってしまうこともあります。
中身がお茶や水ならそんなことにはならずに済むでしょう。
しかし、スポーツ飲料や清涼飲料水を毎日たくさん飲み続けることで病気になることを知らない若者はたくさんいます。

■意外な落とし穴・・・スポーツドリンク

スポーツ飲料は飲みやすく、いくらでも飲る為、つい飲み過ぎます。 
また、運動時に飲むためのものですから、表示がないのは仕方ないかもれませんが、一言大きく表示されていたならば、糖尿病にならずに済む若い人もたくさんいるのです。
水分の取り過ぎでだるいと感じることがあったとしたら、それは血糖値が上がっている合図。
生活習慣によって上がってしまった血糖値を下げるのは容易ではないこと、ペットボトル症候群と呼ばれる恐ろしい病気があることを多くの若い人にも知ってほしいと思います。

※スポーツドリンクはコマーシャルなどの影響で、つい運動しない時でもミネラルウィーター代わりに飲んでしまうこともあるという。

■ペットボトル症候群を防ぐには

清涼飲料水を冷やしすぎない。
水がわりに飲まない。
食前に飲まない。
冷蔵庫に常備しない。
コマーシャルに左右されない。

コーラやジュース、缶コーヒーなどは砂糖やブドウ糖、果糖などを約10%含んでいる。
スポーツ飲料でも5〜6%の糖分がある。
清涼飲料水は口当たりがいい。
しかし、ジュースや缶コーヒーには糖分が容量の10%含まれており、1.5リットルのペットボトル飲料を飲むと、3グラムの角砂糖を50個食べた計算になる。
(糖尿病患者の場合、1日当たりの砂糖摂取量は10グラム(角砂糖3〜4個以下が目安)

<事例>

ある病院に深夜、男子学生(18)が病院を訪れ、吐き気やだるさを訴えた。顔色が悪く、意識がもうろうとしている。
血液検査をすると、空腹時の血糖値が800もあった。正常値は80から110である。いつ倒れてもおかしくなかった。
学生は即刻入院となり、血糖値を下げる薬の点滴を受けた。
聞くと夏場から約3ヵ月間、ペットボトル入りのジュースを毎日3リットル近く飲んでいたという。
典型的なペットボトル症候群だった。

<治療>

治療は糖の代謝を促す薬の注射や点滴が中心となる。
先の学生は1週間ほど点滴を続けた結果、血糖値が正常範囲に戻り、吐き気や体のだるさも解消した

ペットボトル症候群を防ぐには、のどが渇いたら水やお茶を飲むのが一番だ。
「家庭で清涼飲料水の買え置きをやめるなど、親の注意が必要です。」ジュースは飲んでもいい。
問題はその量であり、児童や学生なら1日の限度は500CC。
子どもが夏休みを健康に過ごすためにも、がぶ飲みは禁物だと伝えたい。

何本ものペットボトルを飲むことにより一日の必要糖分量を優にこえてしまいます。これを毎日飲みつづける若者も少なくありません。
そのため本来は中高年の病気である糖尿病が若いうちに発症してしまいます。
また糖尿病の患者さんは血糖値が高くなりますます悪化します。

■遺伝型の糖尿病もあります。

ある人は遺伝型の糖尿病で、小学生の頃から糖尿病でした。
見た目の体型もごく普通で、全く肥満でもありませんでした。
長い事糖尿病の治療をしていたようですが、若くして20代で亡くなりました。

のどが渇いたらお茶か水を飲むようにしましょう。

■一番、高血糖になりやすく糖尿病にかかりやすいのはメタボ
 
(メタボリックシンドローム=内臓脂肪症候群)の人?

ではメタボとは?

・ウエストサイズが男性で85センチ以上、女性で90センチ以上。
・高脂血症の基準=中性脂肪値が150mg/dl以上。
・高血圧=収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上、降圧薬治療中。
・空腹時の血糖値が110mg/dl以上。

■糖尿病性ケトアシドーシスとは

糖尿病性ケトアシドーシスというのは、糖尿病の悪化した状態です。高血糖は昏睡を起こすだけでなく、体に悪影響を及ぼします。
もともと一般成人が一日に摂取していい糖分は50g(3gの角砂糖16個分) までとされています。
これは食事から摂取する量も含まれています。

清涼飲料水に含まれる糖分量
コカ・コーラ 500ml 約 50g (角砂糖約16個分)
甘さ控えめコーヒー 250ml 約 21g (角砂糖約 7個分)
ポカリスエット 500ml 約 33g (角砂糖約11個分)
CCレモン 500ml 約 50g (角砂糖約16個分)




■対策



特に夏はのどが乾いたら、水かお茶にしましょう。
子供に、ジュースやスポーツドリンクがいけないのではなく、飲む量の問題なのです。
テレビでは、飲みたくなるコマーシャルが流れ、外に出ればいたるところに自動販売機があります。
これで、子供に飲むなと言ってもムリな話です。
また、スポーツドリンクや、フレーバーの入った水はいくらでも喉に流し込む事ができ、なんとなく体に良いようなイメージがあります。
ようは、大人達が正しい知識をもって、子供達に対応することなのです。
責任は、子供ではなく、大人達にあるのです。

これから暑い夏に入ります。

よけいな事とは想いながら、このページをつくってみました。


◇資料:お医者さん・病院系NET 参照

ではでは・・・(^_^)v