ホテルマンのシエスタ
世界の見方を変える
泣き虫おばさんの話しを知っていますか?
二人の娘がそれぞれ笠屋と下駄屋に嫁いだおばあさんが、
晴れの日は傘が売れないと泣き、
雨の日は下駄が売れないと泣き、
けっきょく毎日泣き暮らしたというお話し。
これ、もったいないですよね。
発想を逆にすれば、晴れなら下駄が売れて
雨なら傘が売れるといって、毎日笑えたのに。
世の中のほとんどのことには、どうせ正解なんてありません。
ならば、「こうだ」と思いこんだもん勝ち。
人生の正しさや面白さも同じです。
正しい。面白い。そう信じた瞬間に、世界はガラッと色を変えます。
ただ、もののとらえ方を変えるのって、一人ではなかなか難しいですよね。
物語の力を借りるのは、確かにいい方法です。
道尾 秀介(作家)