ホテルマンのシエスタより
ヨーロッパの一流ホテル |
THE LEADING HOTELS IN THE EUROPE |
●パリ PARIS | ||||
■オテル・ジョルジュ・サンク HOTEL GEORGE V | ||||
住所:31 Ave.GEORGE V.75008 723-5400 | ||||
◇英国王にちなむ名称を持ち、アメリカ人が設計した最も仏蘭西的なホテル。 サウジの王様始め、パットン将軍、佐藤栄作、ビートルズ、ローリングストーンズ、オマー・シェリフ等世界的な著名人が定宿としており、客層のいいことではパリ随一の定評がある。 過去には経営的に苦悩の時があったが今は持ちかえしている。 ホテルに入ってすぐ気づくのがギャラリー。中庭を囲む回廊に美術館の絵画が出品され訪れる人々の目を楽しませてくれる。 このホテルのモットーは、ホテルとは宿泊で儲けるもので、料理で儲ける物ではない。 ホテルとは宿泊を基調とするもので、他のあらゆるサービスは宿泊者の滞在を充実させるもの。 料理は損をしてでも、いいものを出すという心意気がそこにある。 したがって材料を吟味し、宿泊客の胃袋を心ゆくまで満足させようとする。 マドリッド・ロンドン・クウェート・カイロ・ロシアからさえ、わざわざこのホテルのレストランに食事にくる常連客がいる。 自家用ジェット機で、飛行中に無線で予約を入れ、夕食だけを楽しみにくる超デラックスな顧客も多いという。 |
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■オテル・ド・クリヨン HOTEL CRILLON | ||||
住所:IO. Pl. de Concorde 75008 Tel 296-1081 | ||||
◇コンコルド広場の物語るパリの歴史と共に生きてきたホテル。 数々の歴史を得て、ヘンリー4世の右腕だったクリオンの末裔が買い取り、1907年にホテルに改装。 血統の良さが買われて宿泊客には超一流の名士が多い。 日本からは、天皇陛下始め、田中首相、大平首相も利用している。 歴史とパリを愛する人ならまず泊まりがいのあるのがこのクリオン。正面玄関を入ったロビーのあたりは、その昔、コンコルド広場から入ってくる馬車の通過した通路。 ルイ16世時代のらんかんがある階段階段を上がると、アントワネットが宿泊した室が、今ではサロン・マリー・アントワネットとしてとして保存されている。 |
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■オテル・リッツ HOTEL RITZ | ||||
住所:15 pl. Vendome 75001 Tel 260-3830 | ||||
◇世界でもっともエレガントなrendezvousの場。 1889年、ロンドンのサボイ・ホテルに総支配人として迎えられ、ヨーロッパというより、世界における近代ホテル経営の範を作ったセザール・リッツが、始めて直営のホテルとして、1898年にパリのバンドーム広場に面する絶好の敷地に建設したのが現在も世界のホテル界をリードするホテル・リッツ。 1973年の75周年にシャール・リッツ夫人のインテリアデザインで装いも新たに再スタート。 いらい、それまで高嶺の花とされたいたリッツも妥当な料金で出来るようになり世界中に愛されている。 |
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■オテル・プラザ・アテネ HOTEL PLAZA ATHENEE | ||||
住所:25Ave.Montaigne Tel 359-8523 | ||||
◇「赤い城」とも「百万長者のホテル」とも呼んで慕われたパリのベルエポックを象徴するホテル。 ヨーロッパのホテルは、アメリカ式の機能や能率を優先するか、ヨーロッパ的なサービスのいずれかとなるが、このホテルは前者である。 テキパキと能率的にすべてが運ばれ、ホテルマン達の態度や雰囲気全体に家庭的なくつろぎが感じられ、内装や設備、能率面では非の内ところがない。 ジャクリーン・オナシス始め北・南米の金持ちが好んで宿泊。凱旋門、コンコルド広場、エッフェル塔のいずれかからもほぼ同距離にある。 ファッションや美術工芸品の一流店が並ぶ、アベニュー・モンテーニュにある。 |
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●ローマ ROMA | ||||
■ル・グランホテル LE GRAND HOTEL | ||||
住所:Vie V.E.Orlando.3. 00185 TEL 4709 | ||||
◇世界ではじめて全館にバスルームと電灯の照明をつけたローマのホテル。 1989年、ロンドンのサボイ・ホテル開業のパーティで、セザール・リッツに当時、ヨーロッパの一地方都市だったローマにホテル建設の依頼。共和国広場横に土地を確保し建設着手。 当時国際的な大都市でも見られない全部屋にバスルームと電灯を取り付けた。 このホテルに纏わるワイン物語にちなんで、馴染みの顧客にそっと出されるワインはアドロネット。 |
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■ホテル・ハスラー HOTEL HASSLER | ||||
住所:Piazza Trinita dei Monti 6.00187 TEL 6972651 | ||||
◇古き良き時代の面影を残して、スペイン階段の上にそびえるホテル。 古代ローマが共和制を樹立したのは紀元前6世紀とずいぶん古い。 こうしてイタリア半島が統一され後にローマ帝国〜フランク王国など異民族国家に支配され十字軍を経てルネッサンスが開花する。 この華やかな古代ローマから現代にいたるイタリアの歴史絵巻をふと垣間見るような絶景を眺めながら食事を楽しめるのがこのホテル。 映画や絵はがきでお馴染み、スペイン階段の上、ご存じサンタ・トリニタ・モンティ協会の横にあるのがホテル・ハスラー。 |
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■ホテル・キリナーレ HOTEL QUIRINALE | ||||
住所:Via Nazionale 7 1-00184 Tel 489101 | ||||
◇オペラ座へ通じる廊下のあるローマの優雅なホテル。 ローマは城壁によって新旧市街に分かれている。この旧市街の中心はベネツィア広場で、そこから北北西に伸びるコルソ通りはポポロ広場に達し近くのショッピンセンターにはローマ三越がある。 その三越から斜め向かいにどっしりと控えているのがホテル・キリナーレ。 |
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●ロンドン LONDON | ||||
■ザ・サボイホテル THE SAVOY HOTEL | ||||
住所:VictoriaEmbankment.W.C.2 Tel 836-4343 | ||||
◇マネジメントはリッツ、料理はエスコフィエ、音楽はヨハン・シュトラウス。 ヨーロッパの名門の誉れ高いホテルといえばいの一番に名指されるのがロンドンのサボイ・ホテル。 このホテルを建てたのは、サボイ劇場の持ち主で、ギルバート・アンド・サリバン・オペラの創始者であるR・ドイリー・カルテ。 1880年、カルテはニューヨーク訪問中、たんなる泊まるだけの英国のホテルとは違い社交場としてのホテルに感動。英国にもどって、近代的なホテルを建設。総支配人に西ドイツ南部の保養地で働いていた料理の天才で接客の名人、セザール・リッツをスカウトする 総支配人になったリッツは後にザ・サボイの名をいやが上に高めた料理の名人、ジョルジュ・アガスト・エスコフィをホテルに連れて乗り込んだ。 こうして、マネージメントはリッツ、料理はエスコフィ、サボイ劇場の専属オーケストラの指揮はヨハン・シュトラウスという豪華メンバーとなり、紳士淑女のエレガントな夕べの楽しみとして定着した。 |
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■ハイドパークホテル HYDEPARK HOTEL | ||||
住所:Knightsbridge.SWIY TEL 235-2000 | ||||
◇アフタヌーン・ティーを楽しみに女王も時々立ち寄られるエレガントなホテル。 レディがホテルを選ぶさいには、ロビーの内装から階段の設計にいたるまで、いかに自分のイブニングドレスを引き立てるか、つまり、自分が美しくエレガントに見えるかが問題となるのである。 この要求を完璧に満たしているのがハイドパークホテル。 伝統を守り、料理、サービス、そしてそれを提供する、ドアマン・給仕頭・ハウスキーパーらベテランスタッフ。 |
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●ウィーン VINNA | ||||
■インペリアルホテル IMPERIAL HOTEL | ||||
住所:Karntner Ring 16. A-1015 Tel 651765 | ||||
宮殿として設計され、迎賓館として使用されていた優雅なホテル。 1867年ブルテンブルグ公国王が作った宮殿が今ホテルに。このインペリアルに泊まる機会があればエレベーターを使わず一度は必ず階段を使って下りることをお薦めする。 私邸とはいえ、パレスとして設計されたものだけに、ジョセフ皇帝がその階段やバルコニーに立った姿がほうふつし目に浮かぶ。 つまり、歴史が肌で感じられる。 |