ホテルマンのシエスタ


一票の格差・・・とは

今、一票の格差が問題になっていますが、何が問題なのか、一票の格差って何なのか調べてみました。

      

これは、選挙区ごとに議員の数と有権者の数の割合が異なるということなんです。

たとえば、同じ選挙で、A選挙区から立候補した人は100万票獲得しても当選できなかったのに、B選挙区から立候補した人は10万票で当選した、というような場合をいいます。

この場合、一票の格差を是正するには、A選挙区を細かく分けるか、B選挙区を他の選挙区と合併する必要があります。


ある法案が選挙区Aでは賛成者が多く、選挙区B、Cでは反対者が多かったとします。
有権者全体としては賛成が多くても、選挙区Aの議員は一人、選挙区B、Cの議員が2人なので、国会では反対が多くなってしまいます。
そうなると国民全体では賛成の多い法案が否決されてしまいます。

現在、選挙に行くと、私たちは1人1票ずつ投票する、という権利を持っています。
20歳以上の人なら、お年寄りだろうと若者だろうと、男だろうと女だろうと、金持ちでも貧乏でも、皆、1人1票です。

当たり前だと思われるかも知れませんが、しかし、最初からこういう制度であったわけではありません。
日本では戦前、女性は投票権を持っていませんでした。
さらに、遡れば、税金を一定以上納めたもの以外は投票出来ない、という時代もありました。

こういう風に、投票する権利を持っている人が限られると、選挙で当選する人というのも偏ってきます。

男性しか投票権がなければ、女性の権利なんかどうでも良いから、どんどん男性に有利な政策を行おう、という人が当選しやすくなります。
お金持ちしか投票権がなければ、お金持ちが有利になる政策を行おう、という人が当選しやすくなります。

そうすると、国民全体の為にならないわけです。だから、1人1票というルールにしたわけです。
そのため、憲法、裁判などを通して、1票の格差がなるべくないようにしよう、という風に言われているのです。

とは言っても、どこに住むのか、とかは個人の自由ですし、人口というのは絶えず動き続けるので、完全に1票の価値を同一にする、というのは不可能です。

ですから、その価値の違いがどこまでなら許される範囲で、どこからが許されない範囲なのか、というのを巡って争いになるわけです。

それを「1票の格差」の問題と言います。



※一票の価値は「有権者数÷選挙区で選出される議員数」で算出されます。
人間には生死があり、年齢も進行します。
また区域外との転入転出をなくすことは不可能です。
格差を皆無にすることは不可能でしょう。

問題は、どこまでの差までが、憲法上許容されるかです。
政治的権利にもし4倍の差があることは、認められるのか。
住んでいる場所が違うだけで、人間としての価値が4倍も有利(不利)になることを容認できるのか。
憲法は、そこまでの格差を認めているのか。
そのことが今裁判所で争われているのです。



2013.3.29



■違法解消なら「代議士」半減! 参議院不要


先の参議院選挙に、各地の高等裁判所が次々に違法判決を突きつけている。

国会が違法を解消するつもりなら、与党が成立を期す「0増5減」程度の手直しでは不十分。
地方の過疎化は進んでおり、いずれ違法に戻る可能性が高い。

慶応大学法学部の小林節教授(憲法学)が言う。

「どんな歪んだ選挙制度でも、その制度で選ばれた議員にとっては居心地がいいのです。これを国会の多数派が、自分たちにとって都合の悪いように変えるはずがない。」

しかし第三者機関が区割りや投票方法決めるには、まず憲法47条を変えねばならないのです。

憲法47条には(両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める)と書いてある。
皮肉なことに、「選挙違憲」の原因は、憲法に内在しているのだ。

1票の格差是正とともに取り組むべきは、国会議員の定数削減であろう。

人口が約1億3000万のわが国の衆院だけでも、人口比で米国並みにするなら、約180議席で半減以下となる。

人口が約3億3000万の米国。下院議員=435名。上院議員=100名。
人口が約1億3000万の日本。衆院議員=480名。参院議員=242名。

<議員合計>米国=535名 日本=722名


「米国では議員に大学教授並みの優秀な政策スタッフが何人も付く。議員削減をするなら、政策スタッフを拡充するべき。」

また、参院については、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「参院は法律の制定機関ではなく、衆院のチェック機関とするべきです。完全比例代表制にするか、米国の上院のように、各都道府県の代表にするのです」と提案するが、
「参院は不要です。衆院と参院がねじれていれば、物事を決められません。ねじれ解消されるならば、参院は衆院のカーボンコピーに過ぎない」(小林教授)

二院制についてフランス革命期の政治家、エマニュエル=ジョセフ・シエイエスはこう喝破していた。

「両院が対立すると、これほど有害がことはないし、同じ議決となれば、これほど無駄な審議はない」

今の日本に有害と無駄を続ける余裕などあるのか。


※参考資料:アメリカ合衆国議会
※参考資料:国会(日本)

※参考資料:各国の人口と議員数 

2013.4.16


国会議員の給料 

日本の国会議員 <詳細>

基本給
月費:各議院議長217万円、副議長158万4000円、一般議員129万4000円
期末手当:635万円
1人当たり:年間約2200万円

その他の財産的給付
・文書通信費 100万円×毎月
・退職金   在職10年で年412万円支給。1年増えるごとに8万2400円ずつ増)
・JR特殊乗車券、国内定期航空券の交付
・審査、調査の為の派遣旅費日当
・議会雑費
・人事官弾劾の追訴にかかる実費の支給
・弔慰金、特別弔慰金の支給
・公務上の災害に対する補償
・立法事務費  月65万円

これに秘書給与を合わせると1人当たり国から1年間で約7000万円貰える事になる



それでは、外国の議員の給料と比べてみると⇒ クリック



代議士と国会議員の違いはなんですかとの質問がありました。

「代議士」→衆議院の議員
「国会議員」→衆参両議院の議員

なぜ衆議院議員だけ「代議士」と呼ぶのかというと ・・・

戦前の国会ではいまの参議院は貴族院と呼んでいて、そこの議員は一般の国民ではありませんでした。
そこで、国会運営にあたり一般の国民にも政治に参加させるためにあるのが衆議院であり、国民に代わって国会の場で議事に携わることから、「代議士」と呼ばれるようになったのです。