ホテルマンのシエスタより


ホ タ ル ( a firefly )

子供のころ、私の生まれた田舎(AKITA)では、夏の夜になると、数えきれないほどいっぱいのホタルが光りだします。
それは幻想的でした。 
子供達は、ウチワを持って、

ほ・ほ・ほたるこい あっちのみずは あまいぞ こっちのみずは にがいぞ ほ・ほ・ほたる こい ほ・ほ・やまみち こい (秋田地方のわらべ歌)

と歌いながらホタル狩りをします。
瓶にいれたホタルはけっこう明るく、暗闇でも文字が読めます。
今考えて見ると、蛍にはかわいそうなことをしました。 \(_ _。) ゴメンナサイ



以前、雑誌に、「板橋区ホタル飼育施設」の阿部館長のホタルに関しての記事が載っていましたので紹介します。

             
ホタルは 「 夏のイルミ 」 じゃない!

光の「癒やし効果」に秘密あり


都会にいてもホタルが見たい。
自然の環境を再現した飼育の方法や、全国100ヶ所でホタル再生を手掛けてきたことで知られる東京の「板橋区ホタル飼育施設」にそんなリクエストが多い。
「でも依頼の9割はお断りしてきたんです」と理学博士でもある阿部宣男・同施設館長はいう。

それは、「夏だけホタルがいて、後の時期はいらない」という話だったからだ。
その結果、今どきイベント会場を飛び交うのは、大方が田舎から買ってきたホタルだ。
「このホタルの光がまずいんです」と阿部さんは憂える。

自然のホタルはオスからメスへ求愛光を出す。
これが人間に癒やし効果を生む。
しかし、むりやり連れてきたホタルが出すのは威嚇光。
クモの巣に絡まったときや、敵に襲われたときに発する光で、人間に緊張や不快感を与える。

なぜホタルは移動すると光が変わるのか?
「それはホタルには生まれた場所の磁場が刻まれており、磁場が狂ってしまったホタルには求愛光が出せなくなるのです」(阿部さん)
現に同施設で飼育されたホタルでも1km離れた夜の公園に放したところ、ノミのようにピョンピョン跳ねてその場で死んでしまった。
阿部さんによると磁場は300mで変わり、400m離れるとホタルは変調をきたすという。

また、ゲンジボタルの場合、川の環境や水質がよくても、川が「東西方向」へ流れていないとダメらしい。
「幼虫は必ずこれを満たす地点から南北方向に上陸し、地中でさなぎとなり、羽化して1週間飛び交うのです。
それほどNS極の磁場には敏感で、南北方向への上陸は全国98カ所で確認しました。(同)

ホタルが生育する環境を作り、そこで世代交代を繰り返したホタルでないと風情ある”灯り”は出ない。

日本人の感性と好奇心が本物かどうか、ホタルに問われているということか。


秋田地方のわらべ歌(歌詞)  ほたるこい

フォレスタ(歌)  ほたるこい