ホテルマンのシエスタ

●  読んでおきたい世界の名著  ●

最近の若者は本を読まないという声をよく耳にします。

私の田舎(秋田県の中でもすごく田舎)では学校の宿題で、常に本を読ませ、感想文を書かされました。
極端な話、勉強はしなくていいから本を読めと教えられました。
※その頃は、勉強なんかすると友達にバカにされるので、私はまったく勉強しなかった。(^_^)v

小さい時は、よく学校の図書館から好きな本を借り、裏山に登り、見晴らしの良い場所を確保。目の前には奥羽山脈がパノラマとして広がり、その前に大きくて綺麗な八郎潟が見えました。
そこで私はおもむろに本を開いて冒険の旅に出かけます。
青年になり、東京に出てきた時は、五木寛之の「さらばモスクワ愚連隊」やコナンドイルのシャーロックシリーズを持って、神宮外苑の芝生で読みふけり、飽きると渋谷の道玄坂にあった、モダンJAZZ喫茶のサブやアリンコに行って、珈琲一杯で長時間ねばったものです。
ホテルマン関係では、アーサーヘーリーの「ホテル」や森村誠一さんの「銀のホテル」など先輩から薦められて読んだ記憶があります。

テレビは一方的に情報を送ってくるので、受け身の状態が続き、ゲームは知らないうちに攻撃的で諦めやすい性格になってしまいます。

本を読むという事は、想像力を鍛えます。図書館に行くとそんなにお金も掛かりません

せっかく偉大な先人達がたくさん残してくれた貴重な財産を活用しなくてはもったいないです。
多分、このWEBページを見ている人は、ほぼ読んでいると思いますが、あ!あの時読もうとして読み残していた本とか、むかし読んだが、もう一度読んでみようかなと思うきっかけになれば幸いです。
また、若いときに読んだ時と、人生を経験してから読むのとは、感じ方、とらえ方が変わっていると思います。
さあ、本屋さんへ行ってみましょう。あなたに出会うのを待っている本がきっとあります。

題  名 著  者 Sawari 発 行 元
この名作は必読
  赤と黒 スタンダール 美貌の青年ジュリアン・ソレルが貴族の婦人や令嬢を踏み台にして出世の階段を上がっていく様子と心理を描いたもの。(1830) 新潮文庫・岩波文庫
  罪と罰 ドストエフキー ドストエフキーの代表作。ともかく暗くて重い。多分読んでいて気が滅入って途中で投げ出すでしょう。(1866) 新潮文庫・岩波文庫
  戦争と平和 トルストイ ナポレオン戦争とその時代に生きた人々の運命、思想、愛のすべてを描いた壮大なスケール大河小説。トルストイ文学の最高峰、ロシア文学の金字塔と言われている。(1868) 岩波文庫
  ハムレット シェークスピア 生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。という名セリフが出てくる。このハムレットだけは、読むより舞台を見たほうがいいかも。(1603) 角川文庫クラシックス
  怒りの葡萄 スタインベック ドキュメンタリー作家や社会派のジャーナリストを目指す人達が必読の名作。(1939) 新潮文庫
  魔の山 トーマス・マン ここに入ったら二度と帰ることができないと言われている魔の山が舞台。ここはスイスの山上のある結核サナトリュウム「ベルクホーフ」。ハンス・カストルプという青年がそこで過ごした日々を鮮明に描いた長編小説。(1924) 新潮文庫・岩波文庫
  変  身 カフカ ドイツの作家、カフカの代表作。ある朝、目が覚めると虫になっていたというわけのわからない設定から始まる小説。(1916) 新潮文庫・角川書店
  異邦人 カミュ 今日ママンが死んだ。もしかすると昨日かも知れないが私にはわからない。というような女子高生の日記のような一文で始まる。今でも中高生で読まれている。(1942) 新潮文庫
悲運に涙
  悲しみよこんにちわ サガン サガンが18歳の時書き上げたもので、17歳の少女のひと夏の経験をつづったもの。(1954) 新潮文庫
  車輪の下 ヘッセ この小説の主人公は村一番の神童と呼ばれる秀才で、ヘッセはこの作品を自伝的小説と言っている。(1906) 新潮文庫・岩波文庫・集英社文庫
  レ・ミゼラブル ユゴー フランスの文豪、ヴィクトル・ユゴーの代表作。完成までに10年以上の大作。ミュージカルでよく知られているが、あまりの大作なので、3時間程度では描ききれない。ジャンバルジャンを理解するには原作を読まなければ・・。 (1862) 新潮文庫・岩波文庫
  ロミオとジュリエット シェークスピア 主人公のロミオは人柄も行儀もいい紅顔の美少年。ヒロインのジュリエットは満14歳になる可憐な美少女。物語は、そんな若い二人が出会い、恋に落ち、そして死ぬまでの数日間を描いている。(1595) 新潮文庫・角川書店
  谷間の百合 バルザック フランスの巨匠、バルザックが自身の初恋をもとに描いたもので、20代の青年フィリップスが、年上の女性モルソーフ伯爵と恋に落ちる物語。(1836) 新潮文庫
  アルジャーノンに花束を ダニエル・キース このSF小説に出てくるのは、32歳の知的障害者とIQ185の天才で二人の目から見た社会と人間。二人いるようだが実は一人。脳治療を受け天才に変身したのである。(1959) 早川書房
ハラハラドキドキの痛快作
  三銃士 デユマ 長編ダルタニアン物語のごく一部が三銃士(上下2巻)。でもダルタニアンは三銃士には含まれない。(1844) 岩波文庫・角川文庫
  宝  島 スティーブンソン 書かれた19世紀のイギリスは、七つの海を支配していた。壮大な冒険小説のきっかけは、1枚の宝島の地図。(1883)
  モンテ=クリスト伯 デユマ 世界中で知らぬ者のない、名著の中の名著。日本では、「厳窟王」として有名。(1846) 岩波文庫
  海底二万里 ヴェルヌ SFの父と呼ばれるジュール・ヴェルヌ。SFの定番ものとなっている海底冒険。「月世界探検」、「地底探検」といったジャンルはヴェルヌが生み出した。(1870) 創元推理文庫(東京創元社)
  武器よさらば ヘミングウェイ アメリカの作家、ヘミングウェイは、医者の息子として生まれたが大学に進まず新聞記者になり、文筆活動に入る。この本の舞台は第一次世界大戦のイタリア戦線。病院で働く看護婦と負傷兵のロマンスを描いている。映画にもなった。(1929) 新潮文庫・岩波文庫
  白  鯨 メルヴィル 英語で書かれた三大悲劇のひとつ。あとの二つは、シェークスピアの「リア王」とエミリー・ブロンテの「嵐が丘」。(1861) 新潮文庫
  夜間飛行 サン=テグジュペリ この作家については、「星の王子様」があまりにも有名だが、大人向きの小説の代表作が、この夜間飛行。一般の人が飛行機に乗ることなど夢の夢だった時代の物語。(1931) 新潮文庫
  凱 旋 門 レマルク ドイツが生んだ世界的ベストセラー作家。その他、ピアノを愛するナイーブな青年の視点から描いた、「西部戦線異状なし」等も有名。凱旋門は、パリに亡命した主人公のドイツ人医師と様々な人物が交錯する。当然ハリウッドが注目し、イングリット・バーグマンとシャルル・ボアイエ主演で映画化された。(1946)
愛を理解する為に
  女の一生 モーパッサン この小説は、19世紀、フランスの作家、モーパッッサンの代表作。トルストイをして、「レ・ミゼラブル」以来のフランス小説の傑作といわしめた名作。(1883) 新潮文庫
  カルメン メリヌ カルメンは、作家であると同時に、考古学者、言語学者でもあったフランスのメリヌの代表作。この小説のタイトル「カルメン」という名の女性は、自由に生きる女、情熱の女の代名詞にもなっている。(1845) 新潮文庫
  嵐が丘 エミリー・ブロンテ 「嵐が丘」は、荒野に建つ館「嵐が丘」を舞台にくり広げられる愛と憎しみの物語。(1847) 岩波文庫
  ジェーン・エア シャーロット・ブロンテ 一般的に小説に登場する人物は、美男美女が多く、お互い惹かれて結ばれる・・・とういうパターンが多い。ところが、この小説の主人公ジェーンは、チビでヒキガエルのような醜い女。家庭にも恵まれなかった女が、自分の力で人生を切り開いていく物語。(1847) 新潮文庫
  桜の園 チェーホフ ロシアの作家の名作。桜の園という由緒正しい土地が、貴族から成り上がりの商人の手に渡るまでの課程の中、この土地にゆかりのある人々が集まって、一つの時代の「死」という現実を受け入れていく様子を描いたもの。(1904 新潮文庫・岩波文庫
  人形の家 イプセン イプセンは、19世紀に活躍したノルウェー出身の劇作家。この作品は3幕物の戯曲で、ずばり、離婚のお話。結婚して8年になる夫婦の関係が突然壊れ、あっという間に離婚に至るというストーリー。その間、わずか3日間である。)(1879) 岩波文庫
  ティファニーで朝食を カボーティ オードリー・ヘップバーンの映画で有名だが、原作は映画と違って男に捨てられて放浪の旅に出たホーリーがアフリカに姿をあらわすところで終わる。(1958) 新潮文庫
いかに生きるか迷った時に
  狭き門 ジイド アリサとジュリエットの姉妹と従兄弟ジェロームの三角関係を描いたもので、3人の中で、好きだけどどうしても告白できないという問題に悩み、苦しむアリサ。彼も自分を愛していることを知っているのだがどうしても気持ちを伝えられない。そして、誰にも伝えられないまま他界してしまう。プラトニックラブの名作。(1909) 新潮文庫
  華麗なるギャッピー フィッツジェラルド 恋人が自分を捨てて金持ちと結婚したことから、女は金だという真理?に目覚め、がむしゃらに働き、20代なかばにして大郷邸の主となった男の華麗な生活と恋を描いた青春小説。(1925) 角川文庫
  月と6ペンス モーム この小説は、妻子を捨て画家になった男の半生を描いたイギリスの作家モームの作品。画家のモデルにされているのは、タヒチに渡った天才画家ゴーギャンだ。(1919 新潮文庫
  若きウェルテルの悩み ゲーテ 婚約者のいる女性に恋をし、その恋がかなわぬものであることを悟って、その女性への未練を断ち切るために自殺する青年の、短い人生の最後の一年半をつづった小説。)(1774) 新潮文庫・岩波文庫
  老人と海 ヘミングウェイ 戦いに生き、戦いを描いたヘミングウェイ。老人と海は、キューバの老猟師が偉大な敵、巨大なマカジキとの死闘を描いた小説。(1952) 新潮文庫
  嘔  吐 サルトル 実在主義の哲学者サルトルの作品。1960〜70年、大学紛争華やかなりし頃の全共闘世代の学生がむさぼるように読んだ、知識人の疎外と不安を描いた作品。(1938)
  阿Q正伝 (あキュー) 魯迅 (ろじん) 家もなければ定職ももたない社会の落ちこぼれである男の目を通して、中国社会のゆがみを浮き彫りにし、同時に20世紀初頭、列強のほしいままにされ、「三流国」に落ちぶれていた中国の姿を阿Qという男の中に映した風刺小説。(1921) 岩波文庫・角川文庫
  クリスマス・キャロル ディケンズ 金儲けのことしか頭にないケチな男スクルージの前に7年前に死んだ仲間の幽霊があらわれ、「クリスマス」に仕事なんかしちゃだめだ。このままじゃ後悔するぞと警告するところから物語りが展開する。(1843) 講談社英語文庫
あのヒーロー・ヒロインに合いたい
ロビンソー・クルーソー   デフォー 世界でもっとも多くの言葉に翻訳されているイギリス作家の小説。この無人島での体験は、もはや人類共通の体験といっても過言ではないだろう。(1719) 岩波文庫・集英社文庫
  ハックルベリー・フィンの冒険 マーク・トウェン 日本ではトム・ソーヤーの冒険のほうがよく知られているが、文学作品としての評価は、このハックルベリー・フィンの冒険のほうが高い。(1884) 岩波文庫
  指輪物語 トールキン 太古の世界を舞台に呪力と意思を持つ指輪を巡る争奪戦を描いた作品で、魔法使い、妖精が次々と登場する壮大なファンタジー小説だ。近年、映画化され、大ヒットした。(1956) 評論社文庫
  ジキル博士とハイド氏 スティーブンソン ジキル博士とハイド氏は、凶悪な殺人を犯すハイドの正体が、じつはだれからも尊敬を集めていたジキル博士だったというお話。この二つの人格を持つ人物を創作したのがイギリスの作家スティーブンソン。(1886) 創元推理文庫(東京創元社)
  ガリバー旅行記 スウィフト イギリスの作家、ジョナサン・スウィフト作品。この作品は児童文学ではなく、原作は大人向き。風刺が得意で、当時のイギリスの政治や社会の風刺として書かれたもの。原作は4部作構成で、「小人の国」「巨人の国」「空飛ぶ島」「馬の国」と続く。(1726) 講談社英語文庫
  不思議の国のアリス ルイス・キャロル 「不思議の国のアリス」はこれが好きでない子は女の子じゃないと言われるほど女の子に人気の作品。作者のルイス・キャロルは男性で大人の女性にはまったく感心なく、10歳前後の女の子の友達がつねに100人ぐらいいたというからようするにロリータ興味だったようだ。(1865) 新潮文庫・角川書店
  ライ麦畑でつかまえて サリンジャー 16歳の少年の視線から、子供の世界と大人の世界を描いた作品。世界中の若者から支持を集め続けている。(1951) 講談社英語文庫
推理小説の傑作
  モルグ街の殺人事件 ボー 推理小説の歴史はここから始まる。モルグ街の殺人事件は、世界文学史上に残る最初の推理小説。そして、コナン・ドイルや、アガサ・クリスティーに続いていく。(1841) 新潮文庫
  そして誰もいなくなった アガサ・クリスティ 「ミステリーの女王」アガサ・クリスティー。「オリエント急行殺人事件」や「ABC殺人事件」などと並んで本作は傑作中の傑作。1920年には名探偵エルキュール・ポアロを生み出す。(1939) ハヤカワ書房
  Yの悲劇 エラリイ・クイーン エラリイ・クイーンは、従兄弟同士のアメリカ人作家、フレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのペンネーム。Yの悲劇は、舞台上の事故で耳が不自由になった元シェークスピア役者、ドルリィ・レーンが探偵として活躍するシリーズ2作目で最高傑作として名高い。(1932) 創元推理文庫(東京創元社)
  長いお別れ チャンドラー 推理小説のジャンルとしてのハードボイルドは、ダシール・ハメットによって始まり、レイモンド・チャンドラーによって完成させた。ハードボイルド・ミステリーは一人称で書かれるのが基本。(1954) ハヤカワ文庫
  夏への扉 ハインライン 未来を描くSFでは、作者の設定した未来が到来しても、現実がそれに追いついていないことがよくある。この作品もその1つ。しかし、この作品は不朽の名作として読まれ続けているのは、未来予測の正しさだけではない。(1957) ハヤカワ書房
  火星年代記 ブラッドベリ この火星年代記は、1999年に友人火星探検ロケットが打ちあげられるところから始まる。火星人のイラは地球人が来ることを予知した。彼女の夫は嫉妬深い人物で、。来訪した地球人を殺してしまう。(1950) ハヤカワ書房



小さな字が詰まった本は、頭の中に映像を作り出してくれる。
映画のように与えられるのではなく、自ら作る。
冒険小説なら、主人公を自分の顔にしてハラハラ、ドキドキする。
読者の良さは自由な、かぎりない想像力にある。
図書館はその泉である。


            



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